【比較表有】広告インハウス化のメリット・デメリットを徹底解説
近年、WEB広告市場の拡大とともに、広告代理店に頼らず、企業自らが広告運用を行う「インハウス化」への注目が高まっています。インハウス化には、コスト削減やブランドイメージ強化、データに基づいた迅速な意思決定など、多くのメリットがあります。しかし、人材育成や体制構築など、克服すべき課題も存在します。
この記事では、WEB広告のインハウス化についてメリット・デメリット、成功のための戦略、導入事例、参考資料などをテーマごとに紹介します。
1. インハウス化とは?
1.1 定義
WEB広告のインハウス化とは、広告代理店に依頼するのではなく、企業自らが広告の企画、制作、運用、分析まで全てを内製化することを指します。具体的には、以下の業務を自社内で担当します。
・広告戦略の策定
・広告媒体の選定
・広告クリエイティブの作成
・広告配信の管理
・広告効果の分析
・レポート作成
1.2 運用体制
インハウス化には、主に以下の3つの運用体制があります。
完全インハウス: 広告運用の全てを自社内で担当する体制です。
部分インハウス: 一部の業務を外部パートナーに委託する体制です。
ハイブリッドインハウス: 広告戦略やクリエイティブは自社で担当し、配信や分析は外部パートナーに委託する体制です。
1.3 広告代理店との比較
インハウス化には、コスト削減、スピード感のある運用、データの活用など多くのメリットがある一方、人材育成や体制構築などノウハウを自社内に蓄積しなければいけないという課題も存在します。
2. インハウス化のメリット
2.1 コスト削減
広告代理店への支払いがなくなるため、広告費用をより効率的に運用できます。長期的な視点で広告戦略を構築することで、費用対効果の高い運用を実現できます。
2.2 ブランドイメージ強化
自社の強みや価値観を反映した広告クリエイティブを作成できます。顧客との直接的なコミュニケーションを通じて、ブランドへの理解と信頼を深められます。
2.3 データに基づいた迅速な意思決定
顧客データを自社で分析することで、より深い顧客理解と洞察を得られます。迅速な意思決定と改善サイクルにより、広告効果の最大化を目指せます。
2.4 社内知見の蓄積
広告運用のノウハウを社内に蓄積することで、人材育成や組織力強化に貢献できます。柔軟な体制で変化に対応し、競争優位性を獲得できます。
3. インハウス化のデメリット
3.1 人材育成と体制構築
広告運用に関する専門知識や経験を持つ人材を育成する必要があります。広告運用の業務を自社で行う必要があるため、人材育成と体制構築は、インハウス化の成功を左右する重要な要素です。
3.2 ツールやシステムの導入
広告運用に必要なツールやシステムを導入・運用する必要があります。データ分析やレポート作成のためのスキルも必要となります。
3.3 初期費用と時間
人材育成やツール導入などの初期費用がかかります。効果が出るまでに時間と労力が必要です。
4. インハウス化が適している企業
4.1 広告予算が一定規模以上ある企業
費用対効果を期待できる規模の広告運用を行う必要があります。目安としては、広告予算が200万円/月を超えている企業はインハウス化することで現状よりもメリットが得られるケースが多いです。
4.2 ブランドイメージを重視する企業
自社の強みや価値観を広告に反映したい企業にとって有効です。
4.3 データ分析に力を入れている企業
顧客データを活用して、より効果的な広告運用を行う企業にとって有効です。
4.4 長期的な視点で広告戦略を構築したい企業
短期的な成果ではなく、長期的なブランド価値向上を目指す企業にとって有効です。
5. インハウス化を成功させるための戦略
5.1 明確な目標設定
インハウス化の目的と目標を明確に設定し、KPIを設定します。
5.2 体制構築と人材育成
広告運用に必要なスキルを持つ人材を育成し、役割分担を明確にします。
5.3 ツールやシステムの導入
広告運用に必要なツールやシステムを導入し、効率的な運用体制を構築します。
5.4 データ分析と改善
顧客データを分析し、広告効果を測定することで、効果的な改善を行います。
5.5 外部パートナーとの連携
必要に応じて、外部パートナーの専門知識やノウハウを活用します。
6. 導入事例
以下は、自社の戦略や目的に合わせて、インハウスで運用するか、外部を利用するかを判断し、効果的にインハウス運用を活用できている企業です。
6.1 株式会社リクルート
リクルートのインハウス組織は、事業にコミットし、迅速かつ高精度なクリエイティブを提供するために設立されました。組織は「デザインマネジメントユニット」と呼ばれ、マトリクス型組織で、サービスを横断しながらデザインを活用して事業を推進しています。
https://www.axismag.jp/posts/2023/10/562792.html
6.2 株式会社ビズリーチ
株式会社ビズリーチは、2009年の創業当時からほぼすべてのマーケティング活動を内製化してきました。
インハウス化は、自分たちでマーケティング活動をハンドリングし、他責にしないための手段であり、必ずしもインハウスである必要はないと考えており、リソースが少ない中でマーケティングを伸ばしていくために、スピード感とナレッジを持って取り組んでいます。
https://www.atara.co.jp/unyoojp/2018/12/totsugeki-bizreach/
6.3 株式会社メルカリ
メルカリは、広告代理店に依頼していた広告運用をインハウス化することで、コストを削減し、データに基づいた迅速な意思決定が可能になりました。
https://www.exchangewire.jp/2019/01/31/interview-mercari-app-promotion/
6.4 株式会社ZOZO
ZOZOは、広告代理店に依頼していた広告運用をインハウス化することで、ブランドイメージを強化し、顧客との直接的なコミュニケーションを実現しました。
https://techblog.zozo.com/entry/zozotown-marketing-data-collections
8. WEB広告のインハウス化今後
WEB広告市場の拡大とともに、インハウス化を導入する企業は今後も増加していくと予想されます。
インハウス化には、コスト削減、スピード感のある運用、データの活用など多くのメリットがある一方、人材育成や体制構築などの課題も存在します。
成功には、企業の状況や目的に合致した戦略を策定し、人材育成、体制構築、ツール導入、データ分析などに注力することが重要です。
インハウス化は、企業にとって大きな可能性を秘めた選択肢です。しかし、安易な導入はリスクを伴います。導入を検討している企業は、上記のメリット・デメリット、成功のための戦略を参考に、企業の状況や目的に合致した慎重な検討が必要です。
ATARAYOは企業の総合マーケティング支援を行なっています。広告のインハウス化推進でお悩みごとがあればお気軽にご相談ください。
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