CASE STUDY

【2023年最新】企業の研修・スキルアップ支援費用支出推移

厚生労働省は、2023年6月30日に「令和4年度 能力開発基本調査」の結果を公表しました。

能力開発基本調査は、企業・事業所と労働者の能力開発の実態を明らかにし、今後の人材育成施策の在り方を検討するための基礎資料とすることを目的に実施している統計調査です。

本記事では能力開発基本調査を基に企業が従業員の研修やスキルアップ支援にどの程度の費用をかけているのか、
2008年から2022年の変遷をご紹介しています。

※研修支援=OFF-JT支援、スキルアップ支援=自己啓発支援と表記
 

企業がOFF-JT及び自己啓発支援に支出した費用について

OFF-JTまたは自己啓発支援への費用支出状況

令和4年度調査における企業の教育訓練への費用の支出状況をみると、OFF-JTまたは自己啓発支援に支出した企業は50.3%であった。OFF-JTと自己啓発支援の両方に支出した企業は 19.8%、OFF-JTにのみ費用を支出した企業は26.5%、自己啓発支援にのみ支出した企業は4.0%であった。一方、どちらにも支出していない企業は49.6%であった。
 
企業の教育訓練費用の支出状況
出典「能能力開発基本調査」

OFF-JTに費用を支出した企業については46.3%と、令和3年度調査と同水準となっている。また、自己啓発支援に費用を支出した企業割合も23.8%と、前回と同水準となっている。

 

OFF-JTに費用を支出した企業
出典「能能力開発基本調査」
 
自己啓発支援に費用を支出した企業
出典「能能力開発基本調査」
 

OFF-JT及び自己啓発支援に支出した費用

OFF-JTに支出した費用の労働者一人当たり平均額は1.3万円となっている。
一方、自己啓発支援に支出した費用の労働者一人当たり平均額は0.3万円であり、平成30年度調査以降、横ばいで推移している 。
 
OFF-JTに支出した費用の労働者一人当たり平均額
出典「能能力開発基本調査」
 
自己啓発支援に支出した費用の労働者一人当たり平均額
出典「能能力開発基本調査」

OFF-JT及び自己啓発支援に企業が支出した金額は上がっているが、支出をしている企業の割合は年々減少傾向にあることがわかる。
 

能力開発や人材育成について

能力開発や人材育成に関する問題点

能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとする事業所は、80.2%となり、8割の事業所で、能力開発や人材育成に関する問題があることがうかがえる。
能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとする事業所のうち、問題点の内訳は、「指導する人材が不足している」(58.5%)が最も高く、「人材を育成しても辞めてしまう」(50.8%)、「人材育成を行う時間がない」(45.3%)と続いている。
 
能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとする事業所
出典「能能力開発基本調査」
 
問題点の内訳

出典「能能力開発基本調査」
 
能力開発や人材育成に関して何らかの問題があるとする事業所は年々増加しており「指導人員不足」「時間不足」など、人的リソースに課題があると捉えている事業者が多い。また、育成後の離職も問題として大きい。
 
令和4年度「能力開発基本調査」の結果詳細はこちらから
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00127.html
 
ATARAYOは企業・事業所・労働者の学びの実態と課題を明らかにし、
解決につながる企業の研修コンテンツ支援、社会人のリカレント・リスキリング支援を行なっています。
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OFF-JTとは
Off-the-Job Trainingの略で、職場外での研修や教育を意味します。OFF-JTは、OJT(On-the-Job Training)とは異なり、職場内では学ぶことができない知識やスキルを身につけることを目的としています。OFF-JTの具体的な内容は、資格取得講座、語学研修、ビジネススキル研修など多岐にわたり、従業員の能力開発やスキルアップに効果的であり、企業の競争力強化につながる重要な施策です。
 
自己啓発支援とは
とは、企業が従業員の自己啓発を支援するための制度や施策のことです。
目的は、従業員の能力開発やスキルアップを図り、企業の競争力強化につなげることです。
具体的な内容は、企業によってさまざまですが書籍やセミナーの費用補助、資格取得費用の補助、研修や講座の受講費用の補助、メンター制度導入などが挙げられます。

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