CASE STUDY

【2023年最新】業種別研修費用支出有無

厚生労働省は、2023年6月30日に「令和4年度 能力開発基本調査」の結果を公表しました。

 

能力開発基本調査は、企業・事業所と労働者の能力開発の実態を明らかにし、今後の人材育成施策の在り方を検討するための基礎資料とすることを目的に実施している統計調査です。

 

本記事では能力開発基本調査を基に企業が従業員の研修やスキルアップ支援にどの程度の費用をかけているのか、2018年から2022年の推移を業種別に紹介しています。

 

※研修支援=OFF-JT支援、スキルアップ支援=自己啓発支援と表記

 

研修費用推移全体傾向

2019年~2020年の低下以降、企業のOFF-JT支援、自己啓発支援における支出状況は横ばいとなっている。
今後3年間の支出見込みでは「増加させる予定」と回答した企業が36.2%「減少させる予定」と回答した企業が1.1%と「実施しない予定」と回答した企業が39.9%となっており、実施しない意向の企業が最も多くなっている

 

業種別の研修費用推移

 

業種別の研修費用推移をご紹介しています。

※リンクをタップするとそれぞれのデータへ飛びます

 

1.建設業
2.製造業
2-1.消費関連製造業
2-2.素材関連製造業
2-3.機械関連製造業
3.電気・ガス・熱供給・水道業
4.情報通信業
5.運輸業,郵便業
6.卸売業,小売業
6-1.卸売業
6-2.小売業
7.金融業,保険業
8.不動産業,物品賃貸業
9.学術研究,専門・技術サービス業
10.宿泊業,飲食サービス業
10-1.宿泊業
10-2.飲食サービス業
11.生活関連サービス業,娯楽業
12.教育,学習支援業
13.医療,福祉
14.サービス業(他に分類されないもの)

 

全体

2019年~2020年の低下以降、企業のOFF-JT支援、自己啓発支援における支出状況は横ばいとなっている。

 

1.建設業

2019年~2020年の低下以降、年々低下している。

 

2.製造業

2019年~2020年の低下以降、横ばいとなっている。

 

2-1.消費関連製造業

2022年から上昇傾向。

 

2-2.素材関連製造業

2019年以降は横ばいが続いていたが2022年から低下傾向となっている。

 

2-3.機械関連製造業

2020年以降は低下傾向となっている。

 

3.電気・ガス・熱供給・水道業

2019年〜2021年までは上昇傾向だったが、2022年は低下傾向となっている。

 

4.情報通信業

2020年以降は低下傾向となっている。

 

5.運輸業,郵便業

2018年以降は年々低下している。

 

6.卸売業,小売業

2021年以降は上昇傾向となっている。

 

6-1.卸売業

2021年に大幅に上昇したものの、2022年は低下傾向となっている。

 

6-2.小売業

2019年〜2021年まで低下傾向だったが、2022年は上昇傾向となっている。

 

7.金融業,保険業

年々低下している。

 

8.不動産業,物品賃貸業

年々低下している。

 

9.学術研究,専門・技術サービス業

年々低下している。

 

10.宿泊業,飲食サービス業

2018年以降低下傾向だったが、2022年から微増。

宿泊、飲食関連業について

2019年までは訪日外国人観光客の増加や東京2020オリンピックの開催予定により、宿泊、飲食業界は全体的に好調な状況で教育への投資も積極的に行っていたが、2020年からは新型コロナウイルス感染症の影響で需要が激減。それに伴い教育関連の資金投資もできない状況だったと考えられる。

2022年からは外出制限の緩和や「全国旅行支援」の導入など官公庁の施策もあり、各業界で業績改善が見られた。それにより教育関連の投資も上昇したと考えれる。一方で、宿泊業界などの一部では、需要の急激な回復により受け入れ体制を急ぎ整備する必要があるなどの課題が増えてきている。

 

10-1.宿泊業

2018年以降低下傾向だったが、2022年から微増。

 

10-2.飲食サービス業

2018年以降低下傾向だったが、2022年から微増。

 

11.生活関連サービス業,娯楽業

2018年以降低下傾向だったが、2022年から大幅に上昇している。

 

12.教育,学習支援業

2018年以降低下傾向だったが、2022年から微増。

 

13.医療,福祉

2020年からの低下以降横ばいとなっている。

 

14.サービス業(他に分類されないもの)

2020年からの低下以降上昇傾向となっている。

 

令和4年度「能力開発基本調査」の結果詳細はこちらから

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00127.html

 

ATARAYOは企業・事業所・労働者の学びの実態と課題を明らかにし解決につながる企業の研修コンテンツ支援、社会人のリカレント・リスキリング支援を行なっています。能力開発や人材育成に関してお悩みがあればお気軽にご相談ください。

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OFF-JTとはOff-the-Job Trainingの略で、職場外での研修や教育を意味します。OFF-JTは、OJT(On-the-Job Training)とは異なり、職場内では学ぶことができない知識やスキルを身につけることを目的としています。OFF-JTの具体的な内容は、資格取得講座、語学研修、ビジネススキル研修など多岐にわたり、従業員の能力開発やスキルアップに効果的であり、企業の競争力強化につながる重要な施策です。

 

自己啓発支援とはとは、企業が従業員の自己啓発を支援するための制度や施策のことです。

目的は、従業員の能力開発やスキルアップを図り、企業の競争力強化につなげることです。

具体的な内容は、企業によってさまざまですが書籍やセミナーの費用補助、資格取得費用の補助、研修や講座の受講費用の補助、メンター制度導入などが挙げられます。

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